新聞の読み方

 一つ前のエントリーは、「七帝柔道記」の事を書くつもりで始めたのに話がよそへ飛んでしまいました。脱線ついでにもう一回まわり道。「群書類従」と同じように、古文献からの引用文をアイウエオ順に編纂した広文庫(こうぶんこ)という類書が大正期に完成しています。

 編者は物集高見、WIKIを見ると東京帝大の教授まで務め辞めた後これの編纂を行っているようです。こうした記録の整理について、若い頃はその価値が判らずどちらかといえば軽視していた部分もありました。この名前を知ったのは子息を知ってから。

 物集高量(もずめ たかかず)、そしてこの人の名前は「話の特集」という月刊誌を見てからです。1970年代、この月刊誌は多方面への知的好奇心を刺激し指針を与えてくれた雑誌でした。当時あたかも梁山泊の様に種々の人材、才能がこの雑誌に集まっていました。

 時代はどうしても左が正義の風潮でしたが、ここには右も左もアナーキーも区別なく集まり、それぞれが己を主張しその混沌が魅力の雑誌でした。1974年に100号を記念した増刊が発行されそれを見ていますが、錚々たる執筆陣ですね。

 野坂昭如、五木寛之、井上ひさし、色川武大、寺山修司、田中小実昌、永六輔、小沢昭一、稲垣足穂、瀬戸内晴海、吉行淳之介、和田誠、横尾忠則、長部日出雄、渋沢龍彦、赤塚不二夫、長新太、伊丹十三、竹中労、太田竜、目次から拾った名前の一部、そして発行者、編集長は矢崎泰久です。

 こうした執筆陣の書く記事の中に物集高量がいました。高齢の偏屈爺さんといった体、確かにごちゃ混ぜ雑誌ではありますが、何故この人が出てきたかと言えば、後で知ったことなんですが、矢崎泰久とは親戚、物集の妻の弟の息子という関係です。

 国学者で父親の意志を継いで「広文庫」「群書索引」を復刊します。当時はすでにある文献の整理など誰にでも出来る事であると思い、創作に携わる人たちから一段下の存在くらいに思っていたわけです。記録の大切さが理解できた今からすると汗顔の至りです。

 この人は長寿で106歳まで生きました。足が悪く写真ではひ弱な感じでしたが、マッチョな人より酸素の摂取量が少ない人の方が長生き出来るみたいですね。ちなみに早瀬久美という女優さん、森田健作あたりと青春ドラマに出てた、彼女は高量の妹の孫に当たります。

 前にジャン・ルイ・トランチニャンの事に触れ、「離愁」という映画が素晴らしかったと書きましたが、この映画を見た1973年か4年の終わり、その頃購読していた「キネマ旬報」で、その年の映画ベストテンを各界の映画ファンが選ぶ企画が載っていました。

 その中にこの「離愁」を1位に押している人がいて驚きました。誰かと見れば矢崎泰久。他の誰もこの映画を評価していません。見ている人は居るものだと、この地味な映画に、専門誌上で一筋の光が当てられた事がとてもうれしく感じられたものです。(これが言いたかっただけのエントリーです)



 5月8日付け中日朝刊。在日韓国、朝鮮人への憎悪デモ、首相「きわめて残念」という囲み記事がありました。予算委員会で、在日韓国、朝鮮人を侮辱、攻撃するヘイトスピーチデモが新大久保などで行われているという民主党の指摘に対し首相が答えたものです。

 首相は「他国や他国の人々を誹謗中傷することで我々が優れているとの認識を持つのは間違っている。結果として自身を辱めることになる。FBでエスカレーションを止めるべきとコメントしたい」と書かれています。これだけだと一方的な嫌韓のヘイトデモにみえます。

 でも首相はこうも言ってます。「日本の国旗が焼かれても、その国の国旗を焼くべきではないし、その国のリーダーの写真を辱めるべきではない。」ここを外してしまっては首相の真意は伝わりません。何故かと言えば、そういう事をしている国があるからです。

 
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 これはよく見ると韓国で行われているヘイトデモのようです。新大久保で行われているデモって、YOUTUBEで見られますが、届け出済みの整然としたデモです。写真のようなひどいものではありません。なのに日本のデモが酷いような書き方を新聞はしています。

 安倍さんはかなりの皮肉を込めて答弁していますね。その皮肉が痛くて新聞は書かないんでしょう。この民主党議員は日本じゃなく韓国のひどいヘイトデモを止めさせろと言うべきなのにねぇ。韓国の反日は詳しく報道しない。日本の嫌韓は大げさに騒ぎ出す。

 これが今のマスコミの基本姿勢。ねじ曲がってます。この中日新聞の囲み記事は、都合の良いところだけ摘み出し片一方の事実しか伝えない、そういうマスコミの歪みを検証するのにもってこいのサンプルでした。修正用の偏向レンズ付き眼鏡がないと正しい姿が見えません。

 ところで、パク・クネ大統領が訪米しオバマさんと握手してもらえて大成功だったそうですが、同行した報道官が若いインターン学生をセクハラして逃げ帰ったというニュース、ネットでは大騒ぎですが、今朝の新聞何処にも見当たりません。どう書くか期待してたのに残念です(笑)。

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 雨です。
 


 

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この記事へのコメント

通りすがり
2013年05月11日 17:50
日本の嫌韓デモは、コリアンタウンで行われることが多く、対象も「在日コリアン」だから、営業妨害や人権侵害にあたるけど、韓国デモは大使館であったり、日本の政府団体に対してであり、定住している「在韓日本人」に対して向けられたものではないからでしょう。日本のデモ(在特会ね)人種差別デモであり、通常の先進国であれば処罰対象です。

韓国のセクハラニュースはネットで大々的に報道されているから貴方も私も知っているじゃありませんか?

韓国では大問題のニュースですが日本にとっては、そもそも大したことはないニュースです。ただでさえ、嫌韓キャンペーンを繰り広げる日本でこれ以上報道しても
差別主義者を喜ばせるだけだからでしょう。
ひろびろ
2013年05月12日 09:47
 いろいろな見方がありますね。そうした意見が自由に発言できる言論空間がある社会は素晴らしい事だと思います。ご意見参考にさせていただきます。