「永遠の0」 映画編

 早速映画を見てきました。「永遠のゼロ」、先に評価をしてしまえば噂にたがわず、長部日出雄氏の推薦、高評価は当然の質の高い良い映画でした。文部省選定とありましたが、小、中、高生徒すべてに見せるべき映画だと思います。

 火曜日の12時半頃からの上映、客の入りは40人程でしたか、60歳以上と思われるご夫婦、2~3人連れのご婦人達が多く見られ、若いカップルが数組といったところでした。団塊とその前後層をも吸引する訴求力があるんですね。

 何が良かったのかなぁと考えて、3つ有りますね。まず映画でしか出来ない、零戦の飛翔するダイナミックな戦闘シーンの数々。今の映画でしか、若しくは今の映画だから出来るCG、コンピューターグラフィックの素晴らしい完成度。

 こんなのを実写で撮ろうとしたらとんでも無い経費と時間が掛かります。事実上不可能です。去年旧作の、ジョン・ウエインの「フライイング・タイガー」とフレッド・アステアの「青空に踊る」を見ましたが、両方とも日本軍との空中戦がある映画で、その戦闘シーンは張りぼてのチャチなものでした。

 それがこの映画では臨場感あふれ、大空を宙返りし、ダイブし、横にスライドし、敵機を追い雲の中に突入し、あたかもすぐ隣で飛行機に乗って見ているような感覚を体験させてくれました。CG技術の完成度は相当高いものがあります。

 といってそれがどの程度のものなのかは判断出来ませんが、濃尾平野には小牧と各務原、2つ飛行場があって、パイロットの方も結構身近にいるんですね。偶々昨日来られた方がそうで、映画はもちろん、原作も繰り返し読んだという人。

 現職ですから見ているところが違います。零戦の機体の、操縦桿と連動する細部の動きもしっかり再現されていたそうです。そういうリアルティが玄人は勿論、素人の目にも圧倒的な存在感を感じられる出来映えとなったのでしょう。大スクリーンの映画でしか体験し得ない感動です。

 二つ目は役者。主人公を演じた岡田准一はアイドルグループの一員だとしか知らず、あまり期待はしていなかったのですが、不明を恥じます。堂々たる映画俳優でした。愛する妻子を残し戦場にある軍人の苦悩をしっかり演じていました。

 その奥さん役の井上真央、この人も良かった。「8日目の蝉」で見ただけでしたが、あの時に比べると数段高いレベルで内面の苦悩を表現していました。2回ほど涙が止まりませんでしたが、そのうちの一回は戦後に親子で貧しい生活を余儀なくされている演技と時代背景を見た時です。

 若い俳優が演じた戦中と、戦後復員してきてからの役を演じたベテラン勢、これも皆良かった。特に夏八木勲、終章に続く伏線の弁護士を演じましたが、抑制された演技でストーリーの進行に重みを与えていました。これが遺作となって、すでに体は病に蝕まれていたようですが、見事な演技でした。

 もう一人、何かと敵対していたパイロットの後日を演じた田中泯、この人も素晴らしかった。生き残って右翼の首魁役、存在感が半端でなくありました。気が付いて、「8日目のセミ」にも出ていました。この人は暗黒舞踏の出身で、一時これに入れ込んでいたこともあって贔屓目もあります。

 橋爪功、平幹二郎、風吹じゅんも良かった。最後に、主題。これが一番肝心なんですが、この映画のテーマ、愛する人を守ろうとする意志。まだ幼い娘を抱え途方に暮れる妻を守りたい、そのひたすらな思い、だから無駄死には出来ない、それが伝わって涙が止まりませんでした。

 特攻をテロだとか狂気だとか、軍国主義に染まってとか、非難する人達もいますが、そんなのは後付で、ただ愛する人やそこに暮らす家族を守りたい、日本という国土を守りたい、その純粋な思いが彼らを従容と死出の旅路につかせたのだと思います。

 それはとても気高い行為ではありませんか。後生が偉そうに屁理屈を言う事ではありますまい。ひたすら頭を垂れて鎮魂の祈りを捧げるより他に何の為すべき事が有るというのでしょう。改めてこれは良い映画だったと繰り返します。

 映画館を出て、同じフロアーに本屋さんがありました。そこへ寄り映画原作の本を探すと、探すまでもありませんでした。大きくこの本の特設コーナーが設けてあって、文庫本、コミック版まで山積みに用意されていました。文庫(講談社 876円+税)を買って帰りました。


 
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 今朝は傘を持って出て、途中ぽつりと来はじめました。はなみずきの冬木立。



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