Kindle購入 「グレート・ギャッツビー」

 Kindle本をアマゾンで購入して読み始めた訳ですが、ラニアンのブロードウェイ連作短編、かなり気に入って読み進めています。1920年代禁酒法時代のニューヨーク、クセのある悪党や踊り子、アル中が主人公ですから話す言葉もお上品ではない。

 作者は同時代にブロードウェイに住んでブロードウェイを愛した人ですから、その当時の生き生きとした下町言葉の人間像が浮かんできます。でも訳本がなければとても歯が立たない。加島祥造の訳はこの小説の本質を損なわず見事な日本語に変換しています。

 ただパソコンで読むと画面から単語の検索が出来ない事と、タブレットで数回読んだらGoogleからアプリをダウンロードしないと読めなくなってしまい少々不快、不便。たまたまAmazonでKindle端末が40%引きになっていたのでついクリック。9980円。

 小さな6吋画面は不安もありましたが字の大きさも変えられるし全然問題なし。何よりも読んでる途中で単語の検索が出来ますから辞書を引く手間がない。さらにテキストを全部ダウンロード出来ますからWifi条件を気にする必要もありません。

 それと新しい本の購入も簡単だし無料の本も沢山あって読めます。試しに探すと「グレート・ギャッツビー」もあります。購入、って、ただ。実はこの本トイレ読書室でただ今閲覧中。もう半年も前から読み始めて1/3ほど進んだ所。これも訳本を見ながらですから時間が掛かります。

 訳本は2冊、野崎孝訳と村上春樹訳。これに加えてDVDも2本あって、ディカプリオ主演作とロバート・レッドフォード主演作。ディカプリオの方をまず見ましたが少々退屈で1/3ほど見たところで中止し読み終わってからもう一度、その後にレッドフォード作を見るつもり。

 訳本の方は既に読み終えてストーリーは頭に入っています。この作品も1920年代のニューヨーク、時代背景は一緒だけれどこちらは上流階級が舞台。 文体もまるで違います。その文章、訳者の違いも較べて読むとこれが中々興味深い。

 どちらかといえば野崎孝訳の方を贔屓にして読んでいますが、というのも、野崎訳は1957年に一度訳して出版した物を1974年に改訂し出版し直したもの。新潮文庫で82刷重ねたものを去年買った本です。村上訳は2006年初版で26刷の2016年版。

 読み比べれば明らかに小説家である村上訳の方が文章がこなれています。読みやすいし原文と較べながら読むと、訳自体も素人目にこちらが適訳だろうなぁと思わせる箇所が目に付きます。訳本としては村上訳の方に軍配が上がるでしょう。

 だから判官贔屓。ただ敢えて原文を読むという事からすると野崎訳の方が原文に近い。ここは翻訳の難しい所で、あまり日本人に読みやすい訳にし過ぎると原作本来の味が消えかねません。ま、そこの所を確認したくて原本を読んでいる訳なんですが。

 ラニアンのブロ-ドウェイものの加島訳は、直訳したらテンで日本語の小説になりませんから、かなり丁寧な背景等の説明を含んだ訳になっています。おかげでブロードウェイの殺し屋やちんけな賭け屋の日常が活写され読書を楽しめます。

 村上春樹はこの他にも既に刊行されたアメリカ文学の翻訳を重ねていますね。読んだのでは「ライ麦畑でつかまえて」。これも野崎孝訳が白水社から出ていて、1965年の仕事。その後1984年に改訂版。村上訳は2003年に出ています。

 これも2冊比較してみると後で訳している分だけ村上訳の方が分があるでしょう。一番最後の章で主人公のホールデンが病院に入って、兄がガールフレンド連れて尋ねてくる。彼女がトイレに行っている間にこれからどうするかなんて事を話す。

 彼女は別棟のお手洗いに向かった、という部分、”Other wing”とあって、野崎訳では「もう一つの翼」となって意味が通じない。村上訳では「別棟」。中森明菜の「北ウイング」(1984年発売)以降なら建物の事と気が付いたでしょうけれど1965年ではこういう用法は思い付かなかった、のかな。

 「グレート・ギャッツビー」でも同様の訳の違いは散見されて、”hydroplane”が野崎訳では高速ボート、村上訳では水上飛行機、水上スキーが波乗り板、豚の形のパンが練り粉の豚、まだら模様が道化模様、会場を渡り歩く娘が流浪の娘・・

 (DVD、ディカプリオ版では「明日水上飛行機に乗ろう」という台詞になっています。映画は2013年の製作、字幕翻訳者は村上訳を参考にしたのか?)

 後出しじゃんけん分村上訳の方が訳としては仕上がっている。何だか野崎孝氏が割を食っているというか気の毒に思える分ひいき目になってしまいます。野崎氏忸怩たる思いもあるのではないかと、仕方のない事なんだけれど、村上春樹、なんかなぁと思ってしまいます。

 前振りのつもりで書き出して、この先があるんですが長くなりそうなので続きは次回に、



 こういう事やってたんですなぁ。リンク張っておきます。
 
 愛媛 中村知事 「知事は会見しないと補助金を出さないという嫌がらせをやってた」 (Share news Japan)

 
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 東の空は明るいけれど傘は持って出掛けた方がよさそう。

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