「グレート・ギャッツビー」とモンテネグロ

 (承前)
 この小説はニックという語り手がいて、主人公ギャッツビーとかつての恋人ディジー、その夫トム、トムの不倫相手のマーテル、マーテルの夫という主要人物たちの歯車が狂っていく姿を述べていくという構成。ニックはギャッツビーの屋敷の隣に越してきます。

 屋敷では毎夜パーティが開かれニックもそこに招待されギャッツビーと対面します。その場面、
 
 ・・見た事がある、戦時中第3師団にいませんでしたか。

 ・・そうです第9機関銃大隊です。

 ・・私は1918年6月まで第7歩兵連隊にいました・・

 1920年代の話で1918年まで戦争に行っていたというのは第1次世界大戦の事です。そして読み進めると、二人でニューヨークに車で出掛けた折り、ギャッツビーがドイツ軍と戦った当時の話をします。彼は殊勲を上げ連合国から勲章を貰います。

 ドイツと戦った連合国の中に小国モンテネグロがあって、そこから貰った勲章をニックに見せます。

 ・・ちっぽけなモンテネグロ・・

 ギャッツビーは、果敢に戦ったモンテネグロの国民に対し感に堪えないように理解と思いやりの言葉をつぶやきます。

 この小説にモンテネグロという国の名前が出て来た事に意表を突かれました。モンテネグロの名は、スロベニア、クロアチア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボといった国の名前と共に記憶にあります。かつてはユーゴスラビアという連邦国家の一員でした。

 1980年に連邦をまとめていたチトー大統領が死去すると各民族間で押さえていた不満が膨らみやがて泥沼の紛争に陥っていきます。この民族間の争い、1990年代から2000年代にわたり続き、お互いの憎悪の激しさから悲惨な殺戮が行われたのは記憶に新しいところ。

 アドリア海に面したバルカン半島、昔から火薬庫といわれ第1次世界大戦も、オーストリアの皇太子がサラエボでセルビアの若者に暗殺された事件が発端。ここに主人公ギャッツビーとニックは兵隊として参戦していた。この大戦をwikiで検索してみました。

 第1次世界大戦  (wiki)

 実に複雑な戦争です。ヨーロッパ中、のみならずアフリカ、中東、アジアにも広がり、日本も連合国側として参戦、地中海にまで海軍艦船が出掛けて戦ったし、戦後ドイツの遼東半島利権を手に入れたりしています。アラビアのロレンスがオスマントルコと戦ったのもこの戦争。

 モンテネグロなんて国、90年代の紛争がなければ多分知りもしなかった国の名前です。小説の中とはいえ欧米においては地政学的知識として知識人の中にはあったんでしょう。そして複雑な民族間の争いは100年以上前から続いていた。

 こうした歴史の現実、検索すると普通の人達が繰り返した悲惨な殺戮がいっぱい出て来ます。現代社会に於いても、理性だけでは御しきれない民族間の隔たり、感情の行き違い。残念ながら理想を繰り出したって争いは無くならない。

 コソボ紛争  民族と領土の相剋、出口の見えない争い wiki

 中東でも地域紛争は現在進行形。国連が介入したってまったく無力。その国連の常任理事国、中共、隣国への侵略が露骨に行われ、そこに住んでいる住民、チベット人やウイグル人を迫害し、文化、生活、生命もを奪って隷属させようとしています。

 さらに南シナ海、東シナ海を我が物にせんと傍若無人。クリントン、オバマの民主党大統領が中国を甘やかしたおかげで彼の国は世界支配の野望も隠さなくなり、さすがにアメリカも尋常でない事に気が付く。どうやらトランプ大統領は中共を潰しに掛かっている様子。

 オバマ大統領の曖昧理想主義は中共を思い上がらせただけ、ドイツ、フランスをはじめ欧州もそれを感じている事でしょう。河野外相、岩屋防衛相は豪州へ飛び2+2会議、これはあからさまな中国対策。米国と中国、いつ戦火が起こってもおかしくない。

 にも拘わらず我が国の防衛体制は手足を縛ったまま。これは拙いでしょう。国民の生命、安全の確保を考えればこの縛った手足を解き放たなければ侵攻を許してしまいます。美しい理想に酔って国体がフワフワ。中国は腹の中で笑っているでしょう。

 10月10日のCNNニュース、
 
 モンテネグロ、「国歌で起立」義務付ける法改正 違反者に罰金 

 小国であっても民族の誇りを失わない国は国体の維持を真剣に考えます。たかが国歌ではなく、小さな国であるが故に民族の存続を考え国民の意思一統を願う。こうしろとは云わないけれど、国旗、国歌をないがしろにする纏まりのない国はやがて崩壊します。

 危機はすぐ目の前にあって、ただ今が平和だからと云ってボケていると腹黒くよこしまな国家に主権を奪われる。狙っているのは中共だけではありませんね。韓国、北朝鮮は相当日本の内部に入り込んでいるし((スパイ防止法がない!)ロシアも虎視眈々。目を覚まさないと泣く事になります。

 
画像


 部屋の気温が22℃、薄着では肌寒く感じます。

 

この記事へのコメント