「日本一やさしい天皇の講座」 倉山満著

 秋篠宮家の長男、悠仁親王が小学校を卒業、4月から中学生というニュース。月日の経つのははやいものです。秋篠宮妃が懐妊されたというニュースが国会中に届き、エッと驚く小泉首相の顔をテレビでついこの間見たばかりのような気もします。

 当時女性天皇の話が進められていましたがこれで急速にしぼみました。

 小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(吉川弘之座長)は、昨年1月から17回の会合を重ね、安定的な皇位継承を維持するためには、男系男子に限っている皇位継承資格者を女性皇族に拡大することで一致。女性天皇と、女性天皇の子・孫(女系)の即位を認め、皇位継承順位は男女を問わず出生順に決まる「長子優先」とする報告書を昨年11月にまとめた。政府は今年の通常国会で皇室典範を改正する方針。 (2006年2月7日20時19分 読売新聞)

 男子皇族は41年ぶりの誕生、男女同じように生まれたら良かったけれど女子ばかり。男系の皇位継承が危うくなって女系を認める所まで話しがいって中断。だけどこの先皇統継承の危機が去ったわけではありません。

 この男系、女系、よく判っていなかったのですが、時々こんな本を読んだと云ってその読んだ本を持って来てくれる若い人がいて、その中に判りやすい説明がありました。「日本一やさしい天皇の講座」 (倉山満著 扶桑社新書 760円+税)

 倉山満の扶桑社新書本、「嘘だらけの○○近現代史」シリーズは4,5冊本棚にあって、今回彼からは最近出たばかりの「嘘だらけの日独近現代史」も借りています。口が悪いというか、言い方変えれば歯切れの良い文章で、歴史俯瞰に恰好の参考書。

 本の帯に「緊急出版」とあって、今上天皇の退位を承けて2017年6月に発行されたものです。天皇家の長い歴史を追いそこから今回の退位、倉山満は譲位と書いていますが、政治の動きと併せ日本人として知っておくべき事を記述しています。

 やさしい講座としていますがなかなかに難しいテーマです。読み終わっても天皇家、皇室について確たる意見を持てたとは云えませんが、神武以来の天皇の系譜を一本の筋にして時代折々の歴史が取り上げられておさらいになります。

 現在は立憲君主、象徴としての位置ですが、その昔には生臭い権力闘争の主人公でもあったり権力を奪われて落魄の境遇であったり、しかし天皇という権威は持ち続け今に続いています。そして男系の血筋を絶やさなかった。

 歴代8人の女帝は例外なく未亡人か生涯独身。女帝は男系女子ですが、女帝が民間人と結婚され、その子供である男の子に皇位を継がせたら女系男子。

 これは許されない。ましてや女帝の配偶者であるただの民間人が皇位に着くなど絶対許されない。それをやろうとしたのが奈良時代の道鏡。
  本文より

 その不文律を確定した弓削の道鏡事件。奈良時代の女帝称徳天皇は独身で子がいなかった。道鏡という情夫がいてこの道鏡を天皇にするという騒動が持ち上がり阻止され女帝崩御後に光仁天皇が即位して落着。

 この背景には天智系と天武系の争いがあって、称徳天皇は天武天皇系、天智系に皇位を渡したくないからという争いがあって天武系は破れ、光仁天皇は天智系。こうして女系は阻止され、これが先例となって今に続いています。

 女性天皇はいたけれど、男性天皇も女性天皇も全て父親か祖父が天皇、父親の父親を辿っていくと天皇にたどり着く人。一つの例外もないという事。これが今に至るまで続いています。道鏡が天皇になっていたら女系になっていた。

 と同じに女系を認めると一般人の家系から天皇になる事が出来てしまいます。現在ある女系論では愛子内親王とその結婚相手との間に出来た子を天皇にしようとする話。幸いにして秋篠宮家に男子が育って中学生。しかし問題の根は残っています。

 その原因を作ったのはマックアーサー、皇族を臣籍降下させた為皇族がいなくなってしまった。そこで今皇籍復帰をして貰ってはどうかという議論もあって著者は反対していません。安定した皇位継承にはお世継ぎ候補が必要だとしています。

 その為には皇室の婚姻が重要。特に秋篠宮家の眞子内親王と佳子内親王のご婚礼は国家的重大事だと書いています。つまりは旧皇族との婚姻で男系男子を産む事だという事ですか。それからすると眞子内親王のトラブルは陰謀論めいても来ます。

 この本は2017年6月初版発行、眞子様の婚約発表の記事が出たのが2017年6月20日。著者は知っていたのか知らなかったのか。いずれにしても眞子様は痛ましいしかわいそう。もしこれを陰でほくそ笑んでいる輩がいたとしたら、いやまぁ、考え過ぎは止めときます。

 
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 朝早くは晴れていたけれど雲が出て来ました。

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